目次(文字数:2200字前後)
「ShapeReader」システムとは一体…?
こんな記事を見つけました…
視覚障害者がマンガを読める「ShapeReader」のシステムとは?
上記記事では、
視覚障害を持つ方でも漫画が読めるという、「ShapeReader」と言うシステム
が紹介されています。
通常ならば、「絵」という情報を、目の不自由な方々に認識させるというのは不可能に近い事ですが…
どうやって漫画を読ませるのか?
視覚障害者の方が情報を認識する手段には、音だったり、触感だったりいくつか存在しますが、
最も代表的なモノの一つに「点字」があります。
点字は基本的に6つの点を1グループとし、その並びによって一つの文字として認識させます。
点字入門より画像参照
↑例えばこんな感じですね。基本はアルファベットでも中国語でも、
この6つの点ルールは変わらない様です。
(濁点等は2グループ使う時もあります。)
ただ、従来の「点字」では小説などの文章は表現できても、そのビジュアルがメインになる漫画を表現させる事はできません。
そこで現在、考えられてるのが「ShapeReader」というシステムなのです。
「ShapeReader」のしくみ
これまでの「点字」は主に「表音文字」を表すのに使われています。
表音文字は、文字そのものに意味は無く、発音を重視した作りです。
アルファベットやひらがな、カタカナが良い例ですね。
「あ」や「A」等、文字1つを見たところで、
何を意味するのかは全くわかりませんよね?
これに対して、文字そのものに意味がある「表意文字」というのもございます。
日本や中国で使われる「漢字」がそれにあたり、
「外」とか「池」とか、それを見るだけで何を意味するのかがわかる文字の事を言います。
「ShapeReader」とは簡単に言えば
「点字」を「表意文字」で表現するシステム
という事です…
それはどういうことかと言いますと
下のサイトを見て頂くと少しわかりやすくなると思います…
下の画像は上のサイトをGIF画像にしたモノで、
「ShapeReader」のシステムを利用して作られた
「Arctic Circle」という点字漫画です。
画像を見ると、様々なパターンの模様が彫られています。
その模様一つ一つに意味があり、例えば一番上の真ん中の模様は、
この漫画の主人公である「ブルース・ペリー(Bruce Perry)」を表しています。
他にも「セイウチ(walrus)」や、「足跡(Footprints)」等もありますね。
つまり、視覚障害者の方に絵そのものを伝えるワケでは無く、
その点字自体が、すでに何らかの象徴を表し、それらの組み合わせで絵画を想像してもらう
という主旨の様です。
この、世界初と言ってもいい点字漫画「Arctic Circle」は、
全57ページあり、木版を彫って作られているそうです。
これが漫画の一部です。
何が書かれてるのかはちょっと私にはわかりませんけど…
ただし、問題は山積みらしい…
これまでの点字の常識を覆してしまいそうなこの「ShapeReader」ですが、
実は問題もあるようです…
その1 一から覚えなければならない
新しい事を始めるには、それを1から覚えていかなければなりません。
それまでの点字とは違う知識が必要になるので、流暢に読み進められるようになるには時間がかかりそうです。
その2 覚える単語が多すぎる
外国人にとって、中国や日本の漢字は覚えるのが非常に難しいと言われています。
その原因の一つには、
尋常じゃ無いほど単語が多い!
と言うことが挙げられます…
表意文字とは、いわば特定のシチュエーションを文字に含んだ言葉です。
人の生活においては、シチュエーションはそれこそ星の数ほどあり、
必然的に、その状況を表す言葉の数も多くなってしまうのです。
それは「ShapeReader」にも全く同じ事が言えるのです。
その3 複製が困難
「ShapeReader」を使った初の漫画「Arctic Circle」は、全57ページ分が、木版で彫られています。
またそれを読むための参考書というのも存在するようですが、それも木版で作られているため、複製を作るとなると非常に高価になってしまい、また時間も掛かってしまうようです。
確かに、誰でも気軽に、手頃な値段でそれを学べないと覚える気にはなりませんよね…?
まとめ:普及はまだまだ先か…?
点字としてはかなり画期的な「ShapeReader」ではありますが、
普及するかどうかは、まだ解決すべき問題も山積みのようです…
「点字」に関しては、「点字専用のタブレットPC」が開発中の様です。
点字の部分がポコッと浮かび上がって変化するのがスゴいです…
2016年末にリリースと言うことで、こちらの方が先になりそうです!
「ShapeReader」の方も、こうした形で電子書籍リーダーを使えればいいんですけどね。
それでもまだ研究中ではあるらしいので、今後に期待ですね!
以上です…
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