目次(文字数:2100字前後)
読んだ漫画本を紹介してみる!
こんばんは!まるく堂です!
KADOKAWAで発行されている
雑誌「ダ・ヴィンチ」12月号を読んだのですが…
その中の「今月の絶対はずさない!プラチナ本」というコーナーにおいて
↓コチラの書籍が紹介されていました。
崖際のワルツ 椎名うみ作品集 (アフタヌーンコミックス)
内容紹介
選考委員・萩尾望都氏が感嘆した、アフタヌーン新人賞「四季賞」受賞作。『ボインちゃん』教師と生徒。その埋めがたい溝をめぐる絶望と激高。『セーラー服を燃やして』華と律――ふたつの異なる才能が、舞台上で激突する。高校演劇青春活劇!!『崖際のワルツ』
この漫画は「椎名うみ」さんという方が描いたモノです。
「ボインちゃん」、「セーラー服を燃やして」、「岸際のワルツ」という、
3つの短編が収録されています。
↓あらすじはこんな感じです。
「ボインちゃん」
第二次成長期の最中にある小学生「まお」は、
自分の胸が大きくなっていくのをとても気にしていた。
その事に触れられたくない彼女は「さらし」を巻いて登校する。
誰にもバレてないと安心するまお。
しかし、彼女のクラスメイト、内藤の何気ない一言で注目を浴びてしまう…
「セーラー服を燃やして」
中学生になったまお。ある日、彼女の友人の内藤が突然不登校になってしまう。
家族や先生の心配をよそに、かたくなに登校を拒否する彼女。
何が彼女をそこまで追い込んでいるのだろうか?
「岸際のワルツ」
演劇部に入部した華。早速演技を披露するが自信の程とは裏腹に、壮絶な大根ぶりが露呈してしまう。しかし、華の演技に可能性を見出した少女、律は、華とペアを組むことにしたのだが…
感想など…
この短編集は、一言で感想を言うのがとても難しいです。
一見、友情をテーマに描いているようでいて、
でも実は人ってわかりあえないのかも?なんて不安も感じさせるような、
ちょっと読み手側にも精神の不均衡を招いてしまうような漫画です。
例えば「ボインちゃん」という漫画では、
成長期を迎え、自分の体に変化が表われることに悩みを抱えている「まお」と、
彼女を傷付けているとも知らずに空気が読めない言動を繰り返す「内藤」。
そんな、本来は友達になれそうもない二人ですが、
率直な意見を言う内藤に、まおは少しずつ友情を感じるんです。
ただ、お互いをわかりあったのか?と言うと、そうでもない感じで…
読んでいく内に何が正しいのか、
その判断基準を大きく揺さぶられてしまうような感じです。
正直、ちょっとモヤモヤが残るのですが、
でも思春期ってそんな感じじゃなかったっけ?
と、自分の時の事を思い出してしまいますね。
私は男ですが「成長期の体の悩み」的な事は自分にもありましたしね…
共感できる部分もあるなあ…と…
「セーラー服を燃やして」では、
「内藤」が理由も分からず登校拒否をしてしまい、
彼女の家族や、担任の先生が振り回され、その対応に追われます。
本来なら、少女を心配している家族側のとる行動が正しいと思うのですが、
この漫画を読んでると、
本当にそれで良かったのかどうかがわからなくなります。
特に先生は一生懸命に対応してるハズなのに、
なんだか、かなりコワいんですね…
空恐ろしいくらいに…
そして、書籍タイトルにもなっている「岸際のワルツ」。
これもかなりパンチが効いた作品です。
大根役者としか思えないような華と、演技のセンスを持つ律という、
チグハグなコンビながらも演技で他人を惹きつけるまでの過程がかなりスゴいです!
この違和感というか、衝撃的とも言える感覚を
ぜひ実際に読んで感じていただければと思います。
まとめ:賛否両論はあれど、けっこう斬新な漫画です!
この漫画を読んだ後だと、
他の、青春をテーマにした漫画って「出来レース」みたいなところがあるなあ…
なんて感じるようになってきます。
そう、思春期って今思えば、
なんだかよくわからないまま不満を抱えながら、
友人でさえも理解しているようで理解してなかったり、
正解もわからず、ただただ闇雲に突き進んできたような期間だったかもなあ…なんて…
もちろん楽しい想い出だって沢山あると思いますが、
体の成長のこととか、勉強の事とか、将来の事とか、
多感な時期に、いろんな悩みが一挙に押し寄せてきて、
それはもう本当に荒波の様です…
この「岸際のワルツ 椎名うみ作品集」は、
むしろ、そんな「青春の闇の側面」をより現実的に描いている様にも思えました。
なので、決して脳天気にハッピーな漫画ではありませんし、
読後感もサッパリとは言いがたいのも確かです。
多分、キライな方はとことんキライになるタイプの漫画ですね。
と、賛否両論はあるかも知れませんが、
私は割とオススメしたいです。
もしも機会があれば、一度読んでみても損はしないです!!たぶん…
以上です…
「岸際のワルツ」は電子書籍版もありますのでKindleでどうぞ!!
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