こんばんは!まるく堂です!
今回はミス・ユニバース大会のお話です。

2025年11月2日から21日にかけ、タイで開催されている
第74回ミス・ユニバース大会。
11月4日の「サッシング・セレモニー(Sashing Ceremony、たすき授与式)」において前代未聞の事態が起きた模様です。
ミス・ユニバース・タイ主催委員会の会長であり、ミス・グランド・インターナショナル(MGI)の代表でもあるナワット・イツァラグリシル氏(Nawat Itsaragrisil)が、
ミス・ユニバースメキシコ代表のファティマ・ボッシュさん(Fatima Bosch)を他の代表もいる前で侮辱したとして物議を醸しています。
下の動画はその時の一部始終が撮影されたものです。
英語音声しかありませんが、ある程度の状況を把握できます。
↓以下、会話を要約したものです。
ナワット氏
「よし、メキシコ、どこにいる?」
「もしあなたがナショナル・ディレクターからの指示に従うなら、あなたは頭の悪い奴(dumbhead)だ。」
「違う、違う、君個人についてじゃない。あなたについてじゃない。私は代表してる立場から話している…」
(ここでメキシコ代表が「私にも発言権があります!」と抗議して叫ぶ。)
「私はあなたに話す機会を与えていない。私のために礼儀正しくしなさい。私はまだ話している。私はまだ話している。」
「いいか、私はまだ皆に話しかけているところだ。なぜあなたは立ち上がって私に話しかけるのか?」
(またメキシコ代表が何か叫ぶ)
「何だと?違う。違う。なぜ立ち上がる?警備員。止めろ。止めろ。警備員。止めろ。」
(この後、各国のミス代表らが集団退席する)
正確な原因は不明なのですが、ミス・ユニバース・タイを率いるナワット氏とミス・ユニバース・メキシコ側との間でトラブルがあったものと思われます。
ミス・ユニバース・タイ側はメキシコ側に対して要望していた、宣伝用のプロモーション用の素材をSNS等に投稿をしなかった事が発端ではないかと言われている様です。
その不満の矛先をファティマさん自身に直接向けた形となったわけです。
サッシング・セレモニーを途中で退場する形となったメキシコ代表のファティマ・ボッシュさんは、その後の会見で以下の様に語りました。

「あなたたちの国には敬意を持ってる。私は本当にタイを愛しています。皆さんを尊敬しています。皆さんは素晴らしい人たちです。」
「でも、あなたたちのディレクターの行動はリスペクトに欠けていました。彼は、組織との問題があるからといって、私を愚か(dumb)と呼びました。」
「でも私はここで何も悪いことをしていません。それは不公平です。私は親切であろうとして、最善を尽くしているだけ。でも彼は私に黙れ(shut up)と言い、いろいろなことを言いました。」
「そして世界中の人たちにこれを見てもらいたい。私たちは力を持った女性です。ここは私たちの声を届ける場所。誰にもその声を封じることはできません。」
「そして、家にいるすべての女性たちに伝えたい。大きな夢や王冠を持っていても、もしそれがあなたの尊厳を奪うなら、そこを離れるべきです。ありがとう。」
会見後、ファティマさんは周りから拍手を受けています。
一方、騒ぎが大きくなって来たことからナワット氏はいくつかの場所で、
涙ながらに語りました。

「理解してほしい。プレッシャーがとても大きいんだ。私は人間だから、ときに感情を抑えられないこともある。」
「でも、誰かを傷つけるつもりはまったくなかった。みんなを尊敬している。」
「このようなことが起きて本当に申し訳ない。この機会を借りて、もし不快な思いをした代表がいたなら謝罪したい。」
「そして世界中のミス・ユニバースファンの皆さんにもお詫びします。」
また、この様に弁明をされています。
「私は一瞬たりとも『dumbhead(頭の悪い奴)』とは言っていません... 私が言ったのは『damage(損害)』です。もし(ボッシュ氏が)彼女のナショナル・ディレクターを信じ、指示を聞いたなら、それは『damage(損害)』だ、と。」
ナワット氏はタイ生まれなので、おそらく母国語もタイ語であるため英語は独特のアクセントがある様です。なので本来は「damage」と言いたかったのを「dumbhead」と聞こえるような発音をしてしまったと言う可能性もあるかも知れません…
ただ…
これまでのナワット氏の失言とも受け止められる発言をたびたび行い、物議を醸しています。
2016年、アルナ・イル・ヨンスドッティル(Arna Ýr Jónsdóttir、ミス・アイルランド 2015)さんが、同年開催の ミス・グランド・インターナショナル2016にて「スタッフから「あなたには脂肪が多すぎ・肩幅が大きすぎる”と言われた。体重を落とすようにと言われた」という内容の手紙を公表。
それについてナワット氏は「改善を求められるのは普通の過程」などと、スタッフ側を擁護する発言をしたということです。これに抗議する形で、アルナさんはコンテストを辞退することを決意しました。
2022年のミス・グランド・インターナショナル2022 において、ベトナム代表ドアン・ティエン・アン(Đoàn Thiên Ân)さんがトップ10入りを逃した理由として「(彼女は)胴が長く、脚が短い」「上半身が長く下半身が短い」などと発言。
この発言が「身体の比率を理由に上位に入れなかった」という批判を呼び、ベトナムのファンらの反発を受けています。
と、過去の記事を探るだけでも多くの失言が出て来ます…
こうした事を考えるとナワット氏が本当に「damage」と言うつもりだったと言うのを鵜呑みにするのにも少し抵抗があります。
タイの社会事情として、人の上に立つ事それ自体がステータスであり、強権的な方が多いそうです。
おそらくはナワット氏もそうした権力を行使する側としてタイの業界では恐れられており、その支配的な態度を各国のミス・ユニバース代表に対しても見せつけるつもりだったのだと思われます。
しかし、そうしたパワハラ的な行動は世界的にもだいぶ遅れた考え方とも言えますし、
今回名指しされ、抵抗したメキシコ代表のファティマ・ボッシュさんは、
自身の考えをカメラの前で述べ、その堂々とした姿が賞賛されています。
こうした事態を受け、ミス・ユニバース・オーガニゼーション(MUO)会長でありメキシコの大富豪ラウール・ロチャ・カントゥ氏が声明を出します。
「ナワット、君はもうやめるべきだ!(NAWAT, YOU NEED TO STOP!)」
と、公の場で主張したことで、ナワット氏の活動は大幅に制限されると思われます。
また、ミス・ユニバース組織における彼の役割が排除される可能性が示されています。
まあ、あの動画を見ただけでも、どう考えても各国のミス・ユニバース代表に対して、リスペクトが無い様な話し方でしたもんね…
自業自得と言うべきで、遅かれ早かれこうなる運命だったのかも知れません…
以上です…























