アスリートのリアルを表現した傑作『ひゃくえむ。』!!
こんばんは!まるく堂です!
先日、劇場版アニメ映画『ひゃくえむ。』を見たのですが、
予想以上に面白かったので紹介したいと思います!!

(ちなみに「ひゃくえむ」とは「100m(100メートル)」の事です。)
映画『ひゃくえむ。』は公開日が2025年9月19日と、割と最近上映されたのですが、
2025年12月31日よりNetflixにおいて世界190以上の国で独占配信されており、
契約をしていれば、既にお茶の間で見られる様になっています。
「ひゃくえむ。」とは何か?
映画「ひゃくえむ。」は、『チ。-地球の運動について-』でも知られる魚豊(うおと)先生による、100メートル走を題材とした陸上競技漫画が原作です。
2018年から2019年にかけて講談社の漫画アプリ「マガジンポケット」で連載され、2025年には待望のアニメ映画が公開されました。
物語は、生まれつき足が速いことだけが取り柄だった主人公「トガシ」が、走ることを通じて仲間や居場所を見つけるも、「速さ」や「勝負」そして「孤独」というアスリートが経験する呪縛とも言うべきものに苦悩していく姿を描いています。
予告編&内容紹介
物語は小学校編から始まります。主人公の「トガシ」は生まれつき足が速く、100m走は全国1位。天才と呼ばれ、友人も多く順風満帆な生活を送っていたある日、「小宮」が転校してきます。
トガシは小宮がただひたすらに走っている様子を見て、なぜ走っているのかを尋ねます。小宮からの答えは「辛い現実を忘れるため」でした。この出会いにより、二人は放課後に練習を重ね、小宮は徐々にその才能を開花する様になります。トガシは小宮のひたすらに突き進む情熱に焦りに似たものを感じる様になったころ、小宮の突然の転校でその交流は急に途絶える事になります。
やがて時は経ち、トガシは競技を続けていたものの成績が伸び悩むようになり…
登場人物紹介
トガシ(声:松坂桃李)
生まれつき足が速く、その才能で居場所を築いてきたが、
成長とともに敗北への恐怖に囚われていく。
小宮(声:染谷将太)
過酷な現実から逃れるために走り始めた転校生。トガシとの出会いをきっかけに、100m走に対して熱狂的にのめり込んでいく。
浅草 葵(声:高橋李依)
高校生になったトガシの先輩。廃部の危機にある陸上部を支える、
人一倍熱い想いを持つ人物。
仁神 タケル(声:笠間淳)
元日本代表を親に持つエリート。かつてはスター選手だったが、
高校では幽霊部員となっている。
財津(声:内山昂輝)
長年にわたり陸上界を牽引する絶対王者で日本記録保持者。
小宮が通う高校へ講演に来た際に、彼の才能を見抜く。
感想:陸上に捧げる情熱と悲哀
まず、この『ひゃくえむ。』で思った事は、陸上競技の「厳しさ」「挫折」「才能」「喜び」「執念」そうした悲喜こもごもが、これでもかと言うくらいに凝縮して描かれている、と言う事です。
人生を賭けるには、あまりに短い様にも思える「10秒」と言う時間。
視聴者は主人公のトガシを通し、それを追い求める人間たちの理想と現実を容赦なく突きつけられるんですね。
トガシだけでなく、さまざまな選手達が勝負に挑むも敗れ去り、次第に走る意味を見失い葛藤するその姿は、多くのアスリートが抱えるリアルな苦悩を感じさせます。
一方で、狂気的に競技に没頭し、自分の限界を乗り超え「一番速く走る事」で得られるその快感は、この競技でしか味わえない特別なものとして描かれています。
陸上競技に限らず、スポーツに没頭した経験を持つ方ならば、かなり共感できるのではないでしょうか?
この作品の原作は漫画ですが、ストーリーに加え、アニメならではの表現方法も素晴らしく、臨場感ある描き方がされています。特に雨のシーンは圧巻で、あのコンディションの悪さでもずぶ濡れになりながら淡々と走る準備をしていく選手達。その情熱に、そのしたたり落ちる水滴に、一種の芸術美を感じたりもしましたし、アングルも凝った角度から描かれたりと飽きない作りになっています。
「なぜ走るのか?」この映画では、それぞれのキャラクターがそれぞれの哲学を持ち、答えを見つけようとしています。それが正解か不正解かはわかりませんが、映画では想像が膨らむような終わり方をしており「みんな幸あれ!」と願わずにはいられません。
また、声優キャスト陣の演技も素晴らしく、松坂桃李さんは「トガシ」の真面目さと強さ、時折見せる弱い部分もきちんと表現されてたと思いますし、「小宮」役の染谷将太さんの声は、あの自分の世界に没頭する狂気的な部分や、人付き合いの苦手さと言ったキャラクターに完璧に馴染んでいるように思えました。
本職の声優さんではないにもかかわらず、違和感なく作品の世界に没入することができました。
まとめ:もっと話題になるべき「名作」だと思った!
今回は劇場アニメ『ひゃくえむ。』を紹介させていただきました。
本作に関して少し残念に思った事は、公開時期が『劇場版チェンソーマン レゼ篇』と重なってしまったことです。
『チェンソーマン』の方はTVアニメが割と不評でしたが、「総集篇」が放送されてから一気に盛り上がった事もあり、公開当時の話題はそちらの方に持っていかれた感が強かった様に思います。また『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』も超ロングランヒットを続けていて、話題性と言う点においては、かなり『ひゃくえむ。』に不利に働いたのかも知れません。
もちろん『鬼滅の刃』も『チェンソーマン』も見た私からすれば、どちらもとても面白かったですし評価に値する作品です。しかし、実際に鑑賞すれば『ひゃくえむ。』もストーリー性や作品の質の高さでは負けておらず、間違いなく「名作」の一つであることが分かると思います。
事実、本作は高い評価を受けています。
• 第49回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞 受賞
• 第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル 赤鯱賞(観客賞)受賞
また公開2ヶ月で興行収入が7億円を突破しており、邦画としては大ヒットの部類ではあるんですよね。
派手なエンタメ作品の陰に隠れがちですが、これほどまでに「走る」という行為の真理に迫った作品はなかなかありません。
個人的には、早々にNetflixで配信となったのは逆に良い決断だと思ってます。
ぜひ、多くの人に見て頂きたい一作です!!!
以上です…





















