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「君の名は。」の映画を観てきました!
こんばんは!まるく堂です!
遅ればせながら「君の名は。」の映画を観てきました。
果たして…オッサン一人で観に行って良いモノかどうか迷いましたが、
今年一番の大ヒット作と言うだけあって、
かなり楽しめました!!!
実はこの映画を観る前に、Kindleにて小説版を読んでいたので、
全体的なストーリーはわかっていたのですが、
いざ映像となると、風景描写が驚くほど繊細で美しく、
自分が想像してたイメージとは異なる部分もあったりして
また違う驚きがあったりしました。
ヒットの要因は何だったのか?
映画を楽しめたと同時に、
もしも自分が小説を書くとしたら、やはりこんなヒット作が書きたいなあ
なんて事も思っちゃいました。
例えば個人作家として「作り手」の側に立った時に、
ストーリー的な部分で参考になる部分はないだろうか?
と思い、自分なりに考えた点をいくつか挙げてみたいと思います。
ボクの考えた「君の名は。」のヒットの理由
ミクロからマクロへのストーリー展開
「君の名は。」は大きく分けると前半・後半の2パートに分かれていると思います。
(エピローグも切り分けて3パートでも可です…)
主人公の高校生、瀧と三葉はある朝、お互いの体が入れ替わってる事に気づきます。
住む場所も、生活スタイルも何もかもが違う男性と女性。
ふるまいにも慣れぬ中、互いに互いを演じつつ学校生活を過ごそうと試みます。
物語の前半部分ではこの「入れ替わり生活」がメインとなります。
このパートでの重要な部分は各々のキャラクターを知ってもらうことと、
感情移入・共感をさせる事ですね。
しかし中盤になり、ある事実が分かると、今までの生活が色あせてしまうというか、
それどころじゃないくらいの事態を迎えます。
それまでは瀧と三葉の二人だけの世界(ミクロ)のストーリーだったのですが、
よりスケールの大きな、マクロ的なお話だったのだと気づかされるのです。
個人的にはその前半と後半のギャップがスゴいな、と思った次第です。
この「急展開を迎える」というのはストーリー的には基本の基本なのかも知れませんが、
その振り幅がは大きい方が衝撃も大きいんだろうな…と…
日本の風習・伝統の描写
「組紐」を始め、三葉の住まいである「神社」そして「巫女」等
「君の名は。」では日本の伝統や風習、工芸品等の描写が、
非常に印象強いモノとなっていました。
これらの伝統工芸品を作中で出せばヒットするのか?と言えば、
もちろん、そんな事はないのですが、
ただ、古くから伝わる日本の工芸品には、目に見えない「力」みたいなのを感じます。
それは情緒とか風情とか、作った職人の心の機微とも言えるモノなのでしょう。
こうした日本の製品を自分なりに調べて登場させるだけでも、
作品がちょっと締まってくるのではないでしょうか?
「入れ替わり」設定の強み
「君の名は。」はストーリー的に面白いとは思いますが、
各々のキャラクターについてはそこまで個性は強くない様に感じます。
主人公である瀧も三葉も、アルバイトをしてたり、実家が神社だったりと
細かなキャラクター設定こそあるもの、どちらも普通の高校生で、
「こいつはこういうヤツ!」という、印象強い特徴というのは見当たりません。
それでも二人が非常に「キャラ立ち」しているのは、
「入れ替わり」の設定が強く効いているから、と思われます。
人なら誰しも一度は「もしも自分が男(女)だったら…」と
考えた事があるのではないでしょうか?
そのシチュエーションが実行されてしまったのが瀧と三葉なワケで、
ちょっとそうなってみたい願望と、共感が出来やすい要素なのではないでしょうか?
性へのライトな描写
上の項目にも関連しますが「男女の入れ替わり」というのは、
必然的に「性」というのも一つのテーマとなってきます。
「君の名は。」でも、
瀧が、異性となってしまった自分の胸を揉む場面が何度か出てきたり、
三葉は三葉で、トイレに行った後に「リアル過ぎ…」と戸惑っていたり…
誰だってそーする!
俺だってそーする!
というシーンがてんこもりなワケです!
(↑オイ…)
ここまでのヒットを考えたら、
そこまで露骨と言うわけではなく、軽い感じの「性」に対する描写は、
ひょっとしたら許容範囲なのかも知れません。
お互い高校生同士なので良かったですが(?)
もしも、これがオッサンと女子高生とか
オバチャンと男子高校生だったら妙に生々しくて、
絶対にヒットしてなかったでしょうけど…
余談ですが…
「男女の入れ替わり」で私が思い出すのは、「転校生」という映画です。
1982年に公開された映画ですが、
こちらも、ふとした事がきっかけで男女の中学生の体が入れ替わってしまうという内容です。
今や名女優とも言われる小林聡美さんが16、7歳の頃の出演でしたが、
カメラの前で恥ずかしげも無く裸になってたのは衝撃的でした…
これ…思春期の女性としてはモノスゴク辛かった撮影だと思います。
今だと絶対にお蔵入りになってる事案でしょう…
批判されても絶対にこれは書きたかったんだという思い
更に、前の項目と関連してますが…
「君の名は。」を観た方々の中にはこうした感想もある様です。
そのツイートを引用させていただきますと…
9歳の妹が姉に「生写真とメイキング付きの巫女の口噛み酒」売って金にしたら?と発言した時点でダメだった。もう映画を楽しむ気持ちは消えていた。なんで9歳が自分達の性的商品価値を把握してんだよって、中身おっさんじゃねーか。少女たちを操縦してるおっさん見えちゃってるじゃねーかって。
映画の前半部分にあるシーンの一つですが…
確かにそこは私も違和感を感じたんですよね…
この方の言う通り、キャラクターから「新海誠というおっさん」がつい出ちゃったのかも知れません。
これ、小説を書く個人作家さんにもありがちなワナかも知れませんね
作家さんは言わば、自分達が作り上げたキャラクターの神様的存在なワケです。
その登場人物達に、あらゆる演技やセリフを指導していくのですが、
時折、そのキャラクターを通して「素の自分」をそのまま出しちゃうと、
「?」と不快感を感じる読者さんもいる様です。
個人的には新海誠監督は、どんなに批判されようとも
絶対にこれをお笑いシーンとして入れたかったんだろうな…
とも感じました…
ウケるかウケないかは別として…
逆に言えば、批判されることを恐れて書きたい事を書かないのも
また良くないのかも知れません。
「やらない後悔よりもやる後悔」といったところでしょうか?
タイトルの妙
「君の名は。」というタイトルも、
短くもこの映画の根本的なテーマを表していて良いと思います。
元々は、
「夢と知りせば(仮)――男女とりかえばや物語」
という題名だったそうですが…
もしもこのタイトルだったら、ヒットはしたでしょうが、
果たして今年一番の代表作とまでなったかどうか、ちょっと疑問です。
「君の名は。」という名前は古くから映画やドラマのタイトルとして使われていますので、
ちょっと年配の方なんかは、この同タイトルを見ただけでも「おや?」と興味を持ってしまうと思います。
老若男女、全ての方に覚えやすいし、興味を持てるタイトルを付けたのは
かなり大きいです!絶対!
RADWINPSの音楽の良さ
これはジャンルが違うので、個人作家として参考にはできない部分ではありますが、
「前前前世」や「なんでもないや」もさることながら、
劇中の音楽を全て彼らが製作したというのも、モノスゴイ才能です。
映画で流れるBGMも一つ一つがそのシーンに合ってたし、
クライマックスでは、非常に盛り上がりを見せるほど、
印象的な音楽でした。
今年一番ブレイクしたバンドと言っても過言でないRADWINPS、
今後も映画音楽の依頼があるか知れませんね…
まとめ:大ヒット作はいろんな要素が化学反応する
ヒットの要因というのを考えてはみたモノの…
結局、どれか一つが原因というのは無いと思います。
様々な要素が集結して、その一つ一つが化学反応の様に爆発して
相乗効果をもたらしたものと考えられます。
ヒット作が生まれるときと言うのはそういう事の様です。
またヒット要因がわかったところで、
それをマネしても「二番煎じ」くらいにしか思われません。
なので、いろいろと参考にしたり研究したりすることも大事ですが、
やはり「既視感を感じさせないくらいのオリジナル感」を
作り出すくらいの意志で執筆した方が良いモノが書けそうです!
って、口で言うのは簡単ですけど…
とりあえずは書かないと何も始まらないということですね。
いつかケミストリーが起きることを信じて頑張っていきたいモノです!!
以上です…
↓映画では語られなかった秘密が明らかに!!
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
- 作者: 加納新太,田中将賀,朝日川日和,「君の名は。」製作委員会,新海誠
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