目次(文字数:4500字前後)
痛ましい事件が再び起きてしまった…
こんばんは、まるく堂です。
近年、幼稚園・保育園の送迎バスで園児が置き去りにされ、
熱中症により亡くなってしまうと言う事故が後を絶ちません。
最近でもそんないたたまれない事態が起きてしまいました。
事件の詳細は省略させて頂きますが、
やはり小さい子が亡くなってしまうのは心が痛いものです…
今回の記事は、
どうすればバスでの園児置き去りを
防ぐことができるのか?
このテーマに絞って書いていきたいと思います。
その1. ダブルチェック
先日、事件のあった幼稚園の園長による保護者説明会と記者会見が行われたのですが、
その幼稚園では、スマホアプリによる登降園管理システムを採用していた事がわかりました。
県や保護者によると、同園では園児ごとに割り振られた専用コードがあり、登園、降園時に端末にコードをかざすと名前が表示され、一人一人の出欠を確認している。欠席の連絡もアプリ上で可能という。一方、送迎バスを利用する場合は保護者が打刻できないため、補助員がまとめて登園扱いにしていたという。県の担当者は「(事件当日の)打刻状況がどうだったか分からない」としているが、同園に子どもが通う保護者の女性は「登園扱いになっていたのであれば教室でいないことに気付くはず。何度もチャンスはあっただろうに」と疑問を口にした。
牧之原の園児死亡事故 ずさんな出欠管理 アプリ利用も把握至らず|あなたの静岡新聞より引用
引用文から察するに、おそらくですが幼稚園へ直接児童を送ってる保護者の方は、
子供が専用コード(QRコード?)を端末にかざして打刻するのを見届けてからじゃないと園を離れてはいけないのかなと思われます。
そうする事で、保護者の方も保育士の方も双方が「ちゃんと園に預けました」と言うダブル確認になりますし、よほどの事がないと出欠の確認ミスは起こらないでしょう。
ただ、送迎バスを利用している園児の場合は「補助員がまとめて登園扱い」すると言う事で、そうなるとその補助員一人のみの確認になってしまうんですよね…
そして事件当日、亡くなられた園児のチェックをし忘れると言うミスが発生してしまった様です。
【副園長】
6人中5人までチェックはしていました。被害園児は一番最後に乗せたこともあり、チェックし忘れたというミスがありました。
バス置き去りで3歳園児死亡 幼稚園が記者会見【詳報3】園長「バス運行に不慣れだった」(テレビ静岡NEWS) - Yahoo!ニュースより引用
「チェックし忘れた」という意味合いが「出席扱い」にしてしまっていたのか「欠席扱い」にしていたのか、そこはちょっとわかりません。
もしも「欠席扱い」になっていたのならば、保護者が「欠席連絡」をしてない事と矛盾して職員の誰かが不審に思い、確認のメールや電話を送る等の措置を早めにできたかも知れません。
ただ「出席扱い」になっていたならば、保育士さんから見れば、出欠確認は終えているワケなので、その子はどこかにいるはずだと思ってしまいますし、
園児の数が多ければ多いほど、その子がいない事に気づくのは遅れてしまうと思います。なので、そこから園児がバスに置き去りにされている事を予想するのはかなり難しいのではないでしょうか?
そう考えると、置き去り対策方法の一つには、
「出欠確認のダブルチェック」と言うのは必須の様に思えます。
もしも、幼稚園でバスから降りた子達への出欠チェックがあと一度でもあれば、
その子がいない事に気づく可能性が高くなり、この最悪な事態は防げたかも知れません。
その2. 置き去り対策のされたアプリの使用
先ほど、その幼稚園では出欠確認用のアプリを使っていたと述べました。
アプリを使ってると言われると、万全の対策をしている様にも思ってしまいますが、
それでもこの事件が起こってしまい、記事のコメント内では
「アプリを使用するのは危険ではないか?止めた方がいいのでは?」と言った意見も散見されました。
私自身の考えとしては、例えアプリを止めて保育士さんによる出欠確認のみにしても、
朝からフルで忙しい保育士さんの負担がさらに増えるだけで、やがて何らかのミスは起きてしまうだろうとも思います。
その幼稚園で利用されていたアプリの詳細はわかりませんが、
例えば最近「QRだれドコ」と言うアプリでは「バスでの点呼機能」を追加したそうです。
このアプリは園児の名札の裏などに入れておいたQRコードを保育者のスマホや保育園・幼稚園に設置されたタブレットで読み取ることで保育園・幼稚園の管理者や保護者が園児の入園や園での活動を共有できる仕組みです。インターネットに接続されたタブレットやスマホがあれば、QRコードを印刷した紙を園児の名札の裏に入れるだけで利用可能。システム自体も保育園・幼稚園であれば原則無料で利用できます。
(中略)
バスの乗降時に名札裏のQRコードを読み取ることで、各バス停で自動点呼しつつ乗車、園に到着後も自動点呼しつつ園児を降車させる仕組みです。降ろし忘れの園児がいれば添乗者のスマホに注意メッセージが表示されるため、万一降ろし忘れが発生してもバス運転手や添乗者がその場で気付きます。さらに、バスに取り残された場合も含めて園児の入園、未入園状況が園にいる保育者全員で共有できます。また、保護者は自分の子供の状況をスマホやパソコンで常に確認できます(園からの許可とシステムへのログインが必要)。
これはインターネットに接続したスマホやタブレットで園児専用のQRコードを読ませて園児の出欠を確認できるアプリです。
このアプリではバスで使えるモードもあり「自動点呼」してくれるそうです。
詳細はわかりませんが、タブレットから「○○くん!○○ちゃん!」とか言ってくれるのでしょうか?
もしも降ろし忘れがあった場合でも、注意メッセージが表示される様です。
おそらくは保護者の方にも「バスから乗りました、降りました」等のメールが送られてくるものと思われます。
もちろん、アプリだけに頼るのは危険ではありますし、
最後は人による確認は絶対に必要だと思いますが
ただ、より便利な「バスの置き去り」を防ぐための機能があるのならば、積極的に使用した方が良いと思います。
子供達の安全の確保のために、より良いアプリを探していくアンテナは常に張っておいた方が良いでしょう。
その3. 置き去り検知センサーの設置
個人的には「バスの置き去り」を防ぐには、何らかの機械的なシステムの助けはどうしても必要になると思ってます。
先ほど紹介したアプリもそうした補助的ツールの一つですが、
例えば「三洋貿易」と言う企業では、ヨーロッパのルクセンブルクにある「IEE」社と言う企業で製造している、車両用の「子ども置き去り検知センサー」を日本市場に導入することを発表しています。
センサーは「ライダス(LiDAS)」と「バイタセンス(VitaSense)」の2種類があるそうです。
それぞれの製品のプロモーションビデオがありました。
「ライダス」は大きなバスで使う感じですね。天井にセンサーが複数個設置され、前方には受信端末があります。
動画ではイスの下で子供が寝ていて、すごく発見しにくい場所にいましたが、上手くセンサーが感知して、車を離れていた運転手のスマホにメッセージが届き、子供は無事に発見されてました。
「バイタセンス」の方は個人の車で使う様で、天井にあるセンサー一つでOKの様です。
動画では、お父さんが車から赤ちゃんを降ろすのを忘れてそのまま会社で仕事をしています。センサーが子供を感知して、お父さんのスマホにメッセージが送信されています。
個人的に、なかなかお父さんがスマホに気づかないでヤキモキしてしまいましたが、それでもどうにか無事に赤ちゃんを助け出せて良かったです。
これらのセンサーは「ライダス」が2023年、「バイタセンス」が2025年からそれぞれ納入し始める予定との事です。
できれば個人の車でも使える「バイタセンス」の方を先に導入して欲しかったところですが、来年から「ライダス」を導入するバスが増えれば、置き去り事故が少しずつでも減ってくるかも知れません。
「バイタセンス」の方も動画を見る限りはかなり有効ですね。
価格にもよるとは思いますが、普及していけば置き去り事故をかなりの高確率で防いでくれそうですよね。
その4. 園児達に、非常時にはクラクションを押し続けて大人達に知らせることを周知させる
検知センサーの普及が待たれるところですが、現状はなかなか導入するところは少ないと思います。
Yahooニュースのコメント欄で、なるほどと思った意見がありましたので原文そのままで紹介いたします。
うちは4歳ですが、ちなちゃんの件を話しました。そして、万が一取り残されたらハンドルの真ん中、クラクションを思い切り押して、大人が来るまで鳴らし続けなさいと教えました。自家用車のクラクションを実際に押させて、こんなに大きい音が出るけど、怖がらずに力一杯押しなさいと教えました。とうまくんや、ちなちゃんの件が無かったら考えもしなかった事ですが、娘は真剣に聞いていました。どこまで理解したかは解りませんが、小さな子どもにこんなことを教えなくてはならない御時世。大人がしっかりしなければ。理事長の責任逃れ、逆ギレのような会見。同じ親として過呼吸になってしまうような気持ち…ちなちゃんやとうまくんの無念、苦しさ…やりきれないです。
3歳死亡 発見時の体温は40℃程度 - Yahoo!ニュース コメント欄より引用
バスに置き去りにされる事は、どんな子供にも起きてしまう可能性があります。
その時に少しでも気づいてもらえる方法を教えておくのも有効な手段の一つですね。
クラクションの音って大きいので子供は驚いてしまって怖がるかも知れませんが、
それでも大人が気づいてくれるまで鳴らし続ける事で助かる可能性が格段に上がってくると思います。
とは言え、0歳から3歳くらいの子供だと実践してくれるかどうかも難しいところだと思います。これは最終手段に近い様なものかも知れません…
その5. やはり運転手さんと保育士さんによる車両の最終確認
これまでシステム的な対策の方を中心に焦点を当てて来ましたが、
やはり最後は運転手さんと保育士さんによる車両チェックが特に大事だと思います。
「ひょっとしたら取り残されているかも?」と言う気持ちで、送迎後に再度チェックする事も重要だと思います。特に座席の下なんかは毎回調べるべき部分でしょう。
二人チェックと言うのが重要です。
まとめ:このような事故はもう起きないで欲しいけど…
今回はバスの置き去り事故を防ぐ方法を考えてみましたが、
決定的な手段と言うのはまだ無いと言うのが現状の様です。
もちろん紹介した方法を用いて、2重にも3重にもチェックできるシステムにするのも大事ですが、あわせて人による最終的な車両チェックも必要だと思います。
将来的には、全ての車にセンサーが搭載されて置き去りにされた全ての子達をすぐに発見できる様なシステムになっていて欲しいと願うばかりです。
以上です…