こんばんは!まるく堂です!
先日、夕木春央(ゆうき はるお)さんが執筆したミステリー小説
『十戒』を読了しました。
2年ほど前に、同じく夕木さんの書いた小説『方舟』(はこぶね)を読んだ時に、
その予想もしなかった展開と驚きのトリックで、頭をハンマーで殴られた様な
衝撃を味わったワケです。
(↓その時の感想等はコチラに書いてあります!!)
なので、その次作『十戒』もかなり気になっていたので
2025年8月にめでたく文庫化をしたのを機に購入してみました。
今回も、とても楽しめる内容となっていましたので紹介したいと思います!!
『十戒』あらすじ
大室里英(浪人生・19歳)は父と共に、亡くなった伯父・修造が所有していた無人島「枝内島(えだうちじま)」へリゾート開発の視察に付いていく事になった。
参加者は不動産や建設関係者など計9名。視察は下見程度で、翌日には帰宅する予定になっていたが、無人のはずの島内の建物には何者かが侵入していた痕跡があり、不穏な空気が漂い始める。
そして次の朝、不動産社員の死体が発見され「十戒」と呼ばれる制約が書かれた紙片が残されていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、起爆装置が作動し、全員が命を失う”
誰がやったのか探ることも許されず、迫りくる死の脅迫に縛られたまま、
疑心暗鬼だけが膨らんでいく一同。
十の戒律が課された3日間の地獄が、今静かに幕を開けたのだった…
登場人物紹介
『十戒』では主に9人の登場人物が出て来ます。
今回はAdobeのFireflyを使って、私の勝手なイメージで画像をAI生成しました。
必ずしも本編のキャラクター像と合致してるものではありませんので
ご了承下さいませ
大室里英(おおむろりえ)

本作の主人公。芸大を志望しているが、現在二浪中で少し気落ちしている。
幼い頃に行ったきりの、伯父所有の枝内島がリゾート開発地になる事を機に
最後の見納めのつもりで父に同行し思わぬ事件に巻き込まれることに…
大室(おおむろ)

主人公の父、WEBデザイナー。
兄の修造の急死から3週間ほどしか経過していなかったが、
開発業者らの強い誘いから枝内島を娘と共に下見に行くことになる。
大室修造(おおむろしゅうぞう)

主人公の伯父。枝内島の所有者。
3週間ほど前の事故で、既に故人となっている。
かなり裕福だったが妻子はいない。
生前は兄弟仲はあまり良くなかったらしい。
沢村(さわむら)

日陽観光開発の社員。
里英の父に、枝内島のリゾート化計画をもちかける。
綾川(あやかわ)

日陽観光開発の研修社員。
草下(くさか)

草下工務店社長。50歳を過ぎた恰幅の良い男性。
野村(のむら)

草下工務店所属。設計士。シングルマザー。
今回の下見で、我が子を預けているが、
預かった妹夫婦からは息子の評判が良くない…
藤原(ふじわら)

羽瀬蔵(はぜくら)不動産社員
小山内(おさない)

羽瀬蔵不動産社員。ガタイが良い。
矢野口(やのぐち)

伯父の友人。成金っぽい雰囲気が漂う。
読んだ感想など…
『十戒』は、夕木春央さんが描くクローズドサークル型のミステリーであり、前作『方舟』と同様に、閉鎖的な空間での心理戦が展開されます。
舞台となるのは、無人島「枝内島」。リゾート開発の視察に訪れた9人の関係者が、突如として殺人事件に巻き込まれます。
犯人からは「十戒」と呼ばれる戒律が課され、「犯人を知ろうとしてはならない」とか「複数の人達が同じ場所に30分一緒にいてはいけない」とか、犯人捜しに不利と思われる10の制約が全員に強制されてしまいます。
犯人を捜しちゃダメなんて、もはや探偵殺しと言っても過言ではなく、この設定自体が、ミステリー小説への挑戦とも言えるアンチテーゼにも思われ、かなり強い印象をうけました。
登場人物たちは、犯人を探すことが許されない状況下で、どのように行動し、心理的な圧力に立ち向かっていくのか。その過程は非常にスリリングで、続きがどうなるのか?ページをめくる手が止まりません。
もちろん小説なので、制限をかける犯人に対して、小さな反旗を翻す登場人物たちも現れます…が!一歩間違えば島ごと爆破される可能性もある事からどこまで踏み込めるのか?読んでる内のその駆け引きにヒヤヒヤしてしまいます。
犯人は誰かわからないそんな中で、彼らがどのように切り抜けていくのか、その展開にドキドキしながら引き込まれましたし、夕木さんの書く作品は、とにかくトリックの精密さがハンパ無いと思います。これは誰にでもマネできる事ではないですし、今回も最後までとても楽しく読むことができました。
個人的には前作『方舟』の方が衝撃度は大きかったかな?と言う感じはありますね。こちらの方が予想の裏切り度が凄まじかったため、なかなかそれを超えるのは難しいとは思います。ただ、『十戒』は『十戒』で違うベクトルの面白さもあって、最後まで読むともう一度読み返したくなると思います。
また、『十戒』を読む前に『方舟』を読んでおく事で、終盤の評価が少し変わるような気もします。
どちらも超面白いので、ご興味が沸いた方はぜひぜひ読んで見て下さい!!
以上です…

