こんばんは!まるく堂です!
こんな記事を見つけました…
小林賢太郎さんを解任。五輪開会式の演出担当。ユダヤ系団体が「ホロコーストに関する悪意のあるコント」を非難
お笑いコンビ「ラーメンズ」として活躍し、2020年の引退後は演出家として東京五輪開会式・閉会式の演出を担当されていた小林賢太郎さんが、1998年に行っていた「ホロコーストに関する悪意のあるコント」を行っていた事を理由に解任されました。
「ホロコースト」とは第2次世界大戦中、ナチス政権により約600万人ものユダヤ系の方々が虐殺や迫害をされた前代未聞の事件で(犠牲者の方々の人数については諸説あり)戦争終結後70年以上経過した現在でも多くの方々の心に深い傷跡を残しています。
この事件をコントの題材にしてしまった事を受けて小林さんは解任となった模様です。
その後、小林さんはコメントを発表し謝罪しています。
小林賢太郎と申します。私は元コメディアンで、引退後の今はエンターテイメントに裏方として携わっております。
かつて私が書いたコントのセリフの中に、不適切な表現があったというご指摘をいただきました。確かにご指摘の通り、1998年に発売された若手芸人を紹介するビデオソフトの中で、私が書いたコントのセリフに極めて不謹慎な表現が含まれていました。
ご指摘を受け、当時のことを思い返しました。思うように人を笑わせられなくて、浅はかに人の気を引こうとしていた頃だと思います。
その後自分でも良くないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました。人を楽しませる仕事の自分が、人に不快な思いをさせることはあってはならないことです。
当時の自分の愚かな言葉選びが間違いだったということを理解し、反省しています。
不快に思われた方々にお詫びを申し上げます。申し訳ありませんでした。
先ほど、組織委員会からショーディレクター解任のご連絡をいただきました。これまでこの式典に携わらせていただいたことに感謝いたします。
小林賢太郎
小林賢太郎さん解任。コメント全文「自分の愚かな言葉選びが間違いだった」(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュースより引用
そしてラーメンズ時代の相方、片桐仁さんも謝罪しています。
森喜朗元首相や佐野研二郎さん、佐々木宏さん、小山田圭吾さん、絵本作家ののぶみさん等、今回の東京オリンピックで担当した多くの方々が、その役割を全うする事なく辞任され、小林賢太郎さんもその一人となってしまいました。
ただし小林さんだけは「解任」ですが…
過去にしてしまったそのコントについては、ご本人の自覚している通り到底、擁護・弁明できるものでは無いですし、相方の片桐仁さんも「若気の至りと言えない」とおっしゃっています。
私も正直、そう思います。
ただ、彼らのしたことが不適切だったという事を大前提としながらも、
若干ではありますが、「同情の余地もあるのではないか」とも思うワケです。
今回の件が発覚した発端とは?
Wikipediaに今回、どうやって20年以上前の昔のコントが発見されてしまったのかの経緯が書かれてました。
7月21日夜、芸能雑誌が「ラーメンズ」時代のコントの動画をTwitterにはりつけて紹介。ツイートは広く拡散され、インターネット上で騒動となった。問題とされたのは、1998年5月発売のVHS『ネタde笑辞典ライブ Vol.4』に収録されたコント。NHKの教育番組『できるかな』をパロディにし、「ノッポさん」に扮した小林と「ゴン太くん」に扮した片桐は、あり得ない題目を採用しようとして却下されるというたとえで「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」という言葉を使用した。このため、小林の人選は、差別反対を掲げるオリンピック憲章に抵触する可能性があると指摘された。同日(日本時間22日)、ホロコーストの記録保存や反ユダヤ主義の監視を行う非政府組織「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が声明を発表。小林のジョークには障害者に対するものも含まれるという見解をあらわした。22日午前2時、中山泰秀副防衛大臣は自身のTwitterを更新。「早速サイモンウィーゼンタールセンターと連絡を取り合い、お話をしました」と投稿し、自ら同団体に連絡したと述べた。
文中にある「ネタde笑辞典ライブ Vol.4」と言う作品はVHSのビデオテープで発売され、現在ではラーメンズファンでも入手困難な代物だそうです。
試しにヤフオクやメルカリ、Amazonで検索してみましたが、やはり1つも出品されてませんでした。
それほど珍しい動画だったみたいですが、とある芸能雑誌が当時のラーメンズのコントをTwitterで貼り付けた結果、情報が拡散されてしまった様ですね。
その動画も違法アップロードの様ですが…
その後、ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が声明を発表し、現在の様な大ごとにいたってしまった様です。
Wikipediaの文章を読むと、自民党の中山泰秀防衛副大臣がその後連絡を取ったと言うことなので、事態を収めるために動いたのかな?と思ったのですが…
自民党の中山泰秀防衛副大臣 ユダヤ系団体に小林賢太郎氏の問題を〝通報〟
どうやらこの中山泰秀防衛副大臣、サイモン・ウィーゼンタール・センターに
ご自身で「通報」していた様です。
Twitterで拡散していた状況から、彼が通報しなくも遅かれ早かれ世間に知られる事になっていたとは思います。
ただ、個人的には
「え?政治家が国内で得た情報を
そんなに簡単に海外に漏らしていいの?」
と疑問にも思いました。
防衛副大臣と言う、わが国の防衛を最優先とするお立場にある方がですよ!
これが野党の政治家だったらまだわからなくもないですが
何としてもオリンピックを成功させたい側の与党の政治家が通報する、というのはどうなのでしょうか?
「サイモン・ウィーゼンタール・センター」はかつて、日本に存在していた雑誌「マルコ・ポーロ」も廃刊に追いやられる等、非常に強い国際的影響力を持つ非政府組織です。
小林賢太郎さんのされたコントは、いくら月日が経っているからと言っても傷つく方々がいらっしゃる事は事実です。
例えば、広島、長崎に落とされた原爆を揶揄してお笑いのネタにされたら大多数の日本人は不愉快な思いをする事でしょう。それと同じように、その国の歴史的な悲劇には絶対に触れてはいけない事象と言うものがあるのです。
そうした正義感から、副大臣は通報してしまったのかも知れません。
その気持ちもわかるのですが、「サイモン・ウィーゼンタール・センター」に通報した後にどのようなことになるのか、オリンピックの進行に多大な影響が出ることは簡単に想像がついたはずです。国益という点から考えると、政治家が日本にとって不利な情報を、いとも簡単に漏洩させた事。
これは今回の事とはまた別の問題で、この政治家の方の資質に疑問を持たざるを得ません。
私は正直、小林賢太郎さんの件については少し同情の気持ちもあります。
その後自分でも良くないと思い、考えを改め、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました。
と、小林さんのコメントにもありますように自身のコントが人を傷つける事を自覚した後、彼は人を傷つけない笑いを目指すようになります。
現在はコメンテーターとして、鋭いコメントを残すことでも有名な「メイプル超合金」のカズレーザーさんは、小山田圭吾さんが「いじめ問題」で辞任された件でこんな事をおっしゃっています。
「再チャレンジというのは過去のマイナスを埋め合わせる。プラマイをゼロにすることを認めることなんで。これ批判と擁護の声で批判の声が大きいというのはプラマイのマイナスを埋め合わせる作業を単純にしてなかったことなんで。これは再チャレンジとかじゃなくて批判されて当たり前の自業自得の話だと思うんですよ。多分やってらっしゃると思うんですけど世間にアピールして、それを納得してれば丸川さんとかも『この方はこういう素晴らしいことをしてましたよ』ってフォローすることもできる。
カズレーザーが小山田圭吾のいじめ問題で指摘「これは過去が叩かれてるわけじゃないです」(東スポWeb) - Yahoo!ニュースより引用
今回、小林賢太郎さんの記事のコメント欄を読んでいくと、もちろん批判の声も多数見受けられますが、擁護するコメントも割と多く見られました。
カズレーザーさんの意見を重ねて見れば、小林さんは過去に「マイナスを埋め合わせる作業」と思われる事もされてる様です。
ラーメンズのコント100本分をyoutubeで無料公開し、その収益を復興支援にあてたり…
2011年、東日本大震災の時にもチャリティーオークションを開いたり…
2018年に起きた西日本豪雨災害の時にもライブを行い、チャリティとしてグッズ販売もされています。
ざっと調べただけでもこのくらいありました。
もしかしたらもっと、こうしたチャリティ等の催しをされているかも知れません。
こうして日本の復興のために尽力されてきた小林さんを、
若かりし頃の過去の誤った行動一つで悪人扱いしてしまうのは、あまりにも酷なのでは?とも私は思ってしまうのです。
なので私個人に関して言えば、その過ちを反省して精進している小林さんの事をそこまで糾弾する気にはならないのです。
小山田圭吾さんの時とは事情が違います。
例え若気の至りだろうと「ホロコースト」を題材にしたコントを製作してしまった時点で、小林さんは東京オリンピックの演出担当に打診されても引き受けるべきではありませんでした。
「ホロコースト」に関しては「否定もしくは矮小化」した者に対して刑事罰が適用される法律「ホロコースト否定禁止法」が制定されている国が数多くあるのです。
それくらい世界的にデリケートな問題と言っても良いと思います。
失墜した信用は、現時点ですでに取り戻せないところまで来てるのかも知れません。それは仕方ない事ではあります。
ただ、せめてその後に行ってきたチャリティ等の行動にも言及しないと、
小林さんと言う人間を総合的に判断するにはフェアではないのではないかとも思います。
人は誰でも過去を変えることはできません。しかし過去を反省して未来に進むことはできます。
今回、世界中の人が衝撃を受けた事は当然です。解任も仕方のない事です。
ただ、ほとぼりが冷めた頃でも良いので、どこかでその後の小林さんがしてきた事も紹介してくれたらなあ、とも思うのです。
本日、2021年7月23日午後8時から、紆余曲折ありながらもいよいよ東京オリンピックが開幕しますね。
開会式、どうなるんでしょうか?
国民の大いなる我慢・犠牲の下に開かれる平和の祭典には、いろいろ複雑な思いもあります。今回はメダルうんぬんよりも、どうにか無事に終えて欲しいと願うばかりです。
以上です…