新iPadのCM、好き?嫌い?
こんばんは!まるく堂です!
2024年5月7日、米Appleの新製品を発表する「Apple Event」が行われ、
その一環で新しいiPad Proのプロモーションビデオ「Crush!」を公開したところ、
速攻で大炎上!
特に日本のユーザーを中心に批判が高まっています。
一体何が起こったのでしょうか?
ひとまずそのCMをご覧下さい。
いかがでしょうか?
動画では、楽器や本棚、テレビ、テーブルなど様々な道具や機器がプレス機で圧縮され、最後にiPadになる様子が描かれています。
おそらくはこれまでの生活や仕事をして培ってきた様々な思い出やデータも、iPadさえあれば大丈夫だよと言う「iPadの多機能性と本体の薄さ」を表現しようとしたのだと思われます。
ただ、職人技を尊重する日本人の間では、家具や楽器が壊される様子に不快感や嫌悪感を抱いた人が多かった様です。
破壊表現に対する賛否両論
私自身も動画を見たのですが…
実はそこまで不快には感じませんでした。
これは世間の反応と異なる部分かも知れません。
確かに、動画内の破壊表現は多少グロテスクにも思え、見ていてあまり気持ちの良いものではないですし、嫌悪する方のお気持ちももちろんわかります。
自分がそこまでこの動画に対し嫌悪感を抱かなかったのはなぜだろうと、
自分なりにちょっと考えてみました。
1. 私はAppleイベントがあった時リアルタイムでは視聴しておらず、後にCMが叩かれ始めてから見たから?
2. 事前知識があったためCMを「iPadの性能の比喩表現」だと割り切って見ていたから?
3. 普段から過剰表現のドラマとか見てて慣れていた?
ざっとこんな感じでしょうか?
ある程度の事前情報があったため心の準備が出来てたのかも知れません。
もしもリアルタイムで初見で見てたら、世間の皆さんと同じ様に怒りに震えてた可能性もあったかも…?とは思います。
ただ、あともう一つ、個人的に引っかかる部分もありまして…
クリエイトにおける「破壊」と言う表現の是非
創作活動の中には「破壊」と言うのもクリエイトの表現方法の一つとして存在します。
例えばなんですけど、「怪獣映画」や「特撮ドラマ」ではビルや家屋等の建物が破壊されるシーンがありますよね?
おそらく撮影する際は、ビルを模した小さな模型を破壊していたり、リアリティを求めるために本物の家屋を爆破するなんて事も少なくはないでしょう。
でも、その爆破シーンを見て
「ビルや家屋がもったいないじゃないか!!」とか
「せっかく大工さんや建築士が作った建物にリスペクトが無い!謝れ!」
と批判する人はあまり見かけません。
「CM」と「怪獣映画」ってジャンルも全然違うじゃんと言われてしまいそうですけど、
今回のiPadのCMでは様々なモノが押しつぶされてましたよね?
「怪獣映画」も撮影のために模型とか家具を壊したりと、
結局はAppleのCMも怪獣映画も同じ事をしているワケです。
言うなれば創作表現において、
どちらも「破壊」と言う方法を選択しただけとも言えます。
AppleのCMは実際にある物をプレス機で破壊して撮影したと思われますが、
同じ破壊表現と言う行為でも、その受け取られ方が大きく違ってしまっているのは、
個人的にとても興味深い現象です。
破壊表現の受け取られ方の違いを生む要因
「怪獣映画」と「iPadのCM」。
同じく「破壊」と言う表現方法を使用したのに、一体何が違ったのでしょうか?
個人的に思ったのは以下の事です。
1. 破壊の対象の違い?
怪獣映画ではビルなどの大きな建物が破壊されるのに対し、iPadのCMでは生活道具や家具が破壊されています。
私たちにとって身近なものの破壊は、より直接的に感情に訴えかけるのかもしれません。
ただ、家の物が壊れるシーンなんてドラマや映画にはたくさんありますし、なぜ今回のCMだけが叩かれてるか?と言う疑問の答えにはなってない気もします…
2. 文化的な違い?
日本では物を大切にする文化や、職人の技を尊重する風潮があります。
一方、アメリカではエンターテインメントのためなら演出が派手の方が好まれる様にも思えます。もしかしたら同じ表現方法でも、文化的な背景によって受け取られ方が変わってくるのだと思います。
しかし、今回のAppleのCM動画は日本だけで無く世界中から不評の嵐の様なので、これも当てはまらないかも知れません。
3. 破壊の目的の違い?
怪獣映画では破壊そのものがエンターテインメントの一部としてあらかじめ想定されているのに対し、iPadのCMでは破壊は製品の特徴を表現するための予期せぬ手段として用いられました。
基本はiPadってクリエイトするための道具ですからね。
なので「iPad」と「破壊」と言う行為がうまくマッチせず、違和感を覚える人が続出したのかも知れません…
うん、これが今のところ妥当な答えになりそうです。
「破壊」と言う表現方法はある種のスパイス!?
ここまで、ある程度自分の考えを整理していたら、一つ気づいた事がありました。
創作における表現方法はいくつもあり「破壊」と言うのもその一つです。
ただ、それは料理で言う「調味料」の様なもので、さらに分類するならば刺激の強い「スパイス」に該当するのかも知れません。
スパイスは何にでもかけて良いワケではなく、ラーメンやステーキにはとても合いますけど、かける食材を間違えると大変な事になります。
今回、AppleはiPadと言う「ケーキ」にも似た食材に、誤ってスパイスをかけてしまった…と言うことなのでしょう。
この考え方が自分的にとてもしっくりしましたので、一応の結論としたいと思います。
まとめ:攻めの姿勢は評価したい! でも世間とのズレには注意!!
今回のAppleの新しいiPad ProのCM動画「Crush!」は、私にとってはある種のブラックユーモアのように感じられました。
おそらくCM制作者の間では「お前、攻めたな~!」とか言い合っているのではないでしょうか。
ただ、残念ながら、今回はその攻めた表現が世間の感覚とマッチしなかったようです。特に日本では、職人技を尊重する文化があるため、安易な破壊表現は受け入れられにくかったのかもしれません。
世間の感覚とのズレにはもう少し注意が必要だったかもしれませんね。
まあ、今回の結果は散々ではありましたが…
それでも私はAppleの「攻める姿勢」自体は評価したいと思います!!
新しいものを生み出すためには、守りに入っているだけでは不十分ですからね!!
とは言え、最近のiPhoneやiPadはカメラ機能や処理速度の強化以外に大きなセールスポイントが少ないのも事実です。
だからこそ、今回のCMのような「攻めの姿勢」で、消費者の度肝を抜くような革新的な機能やデザインを期待したいと思います!!
以上です…