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Audibleで「コンビニ人間」を聴いてみた…


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目次(文字数:2700字前後)

 

「コンビニ人間」は人の心をえぐる衝撃の問題作です!

こんばんは!まるく堂です!

 

最近、Audibleにハマっていて、

ちょっとしたスキマ時間や作業中等に聴いています。

 

今回、聴き終わったのは、2016年に芥川賞を受賞した

村田 沙耶香(むらた さやか)さんの「コンビニ人間」です!

コンビニ人間

コンビニ人間

 

前回、紹介させていただいた「火花」と言い、

なんとなく芥川賞作品を中心に聴いてますけど、たまたまです…

 

この「コンビニ人間」もかなりスゴい作品でしたので、

紹介したいと思います!

 

朗読は大久保佳代子さん!!

今回、朗読を担当したのはお笑いコンビ「オアシズ」の一人で、

ピンでもかなりテレビの露出が多い、大久保佳代子さんです!

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「朗読:大久保佳代子」という言葉を見たときには、

あまりそんなイメージがなかったので、

どんな朗読になるのか想像がつきませんでした。

 

でも、いざ聴いてみると、

全体的には落ち着いていて淡々と語りかける感じです。

ただ、大久保さんの声自体は、少しくぐもる事があって、

声質的に若干聞き取りづらい時もありました…

 

でも慣れてくると、そこまで気にならなくなりましたし、

大久保さんの持つ「毒」のあるイメージと、

「コンビニ人間」との作風がかなりマッチしていて、

最後まで一気に楽しむことができました!

 

あらすじ

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。

Audibleより引用

 

主人公は18年間同じコンビニでアルバイトを続けている

36歳になる「古倉恵子」。

彼女は幼少時から「普通ではない」人間でした。

 

例えば小学校の時には、

小鳥が死んでいて他の子たちは悲しくて泣いているのに、

恵子だけはその亡きがらを手に取り、

「お母さん、この鳥食べよう。お父さんが焼き鳥好きだから」

と、ギョッとする発言で周りから白い目で見られたり…

 

中学校の時には男子がケンカをしていて「誰か止めて」と言われた際は、

その男子たちを持っていたスコップで殴ると言う異常な手段で、

ケンカを止めたりしていました。

 

恵子としては、自分なりに普通(と思う)行動をしただけなのです。

そして、周りの恵子に対する冷ややかな反応を見て

「これはいけないことなのだ」と、かろうじてわかるのですが、

それがなぜ悪い事なのか、という判断が自分では付かないのです。

 

なので、それ以降、恵子は自分を押し殺し

周りが望んでいるであろう「普通の姿」でふるまい、

「普通の人間」であろうとするのです。

 

コンビニの仕事は恵子にとって、天職とも呼べるものでした。

店員としてのふるまいや、仕事に関してのほとんどが

マニュアル化されているため、その通りにふるまえば「普通の店員(人間)」として、

認められるからです。

 

しかし、結婚して子供を持つ同級生達は

いつまでも独身でアルバイトを続けている恵子に対し、

怪訝に思う様になってきます。

当の恵子はなぜ友人がそう思うのかもわからずに…

 

ある日、コンビニに一人の男性アルバイト「白羽(しらは)さん」が

新人としてやってきて、恵子の運命が大きく変わることになるのです…

 

という感じです。

 

「コンビニ人間」注目ポイント!

文体はかなりストレートな感じ

又吉直樹さんの「火花」では、これでもか!って言うくらいに

かなりオシャレな(?)比喩表現を多用してましたけど、

村田 沙耶香さんの文体は、事実を淡々と語っているような、

割とストレートな感じです。

 

同じ芥川賞作品でも、全く文体が違うんだなあ…

と、当たり前ではあるのですが、そう感じました。

 

ただ、描写はとてもわかりやすく、無駄な言葉が一切無い感じで、

やはり上手だなあ…と感じます。

 

コンビニ描写がもの凄く細かくてスゴい!

作者の村田さん自身が、受賞当時もコンビニでアルバイトをしていたと言う事もあって、

コンビニの仕事内容やら、細かい部分のリアリティある描写がホントにスゴい!!

これは実際に働いてないと描けない表現かも知れません。

 

「恵子」と「白羽」と言う強烈なキャラクターがスゴスギ!!

「コンビニ人間」で特に注目して欲しいのは、

主人公「恵子」と準主役の「白羽さん」というキャラクターに尽きると思います。

 

恵子のキャラ設定も先ほど述べた通り、変わり者ではあるのですが、

後々出てくる「白羽さん」…

この人もかなりブットンだキャラクターです。

 

年齢は35歳くらいで、恵子とほぼ同年代。

「わからないことがあったら何でも聞いて下さい」という恵子に、

「大丈夫です」と返すものの、実際は商品並べもグチャグチャで、

他のバイト店員からも疎まれるようになります。

理想は語るものの、実行できない人っていますよね?

そんな感じの人なのです…

 

その事で、店長に叱られても陰で「底辺の雇われ店長が!」と、

悪態を付いたりして…

まあ…ハッキリ言えば…

クズです!!クズ過ぎます!

 

彼はある理由でバイトをクビになるのですが、

偶然、恵子と再会し物語は大きく動きます。

 

ただし、恵子も恵子で一筋縄ではいかないキャラクターなので、

二人が起こす「負の化学反応」にぜひ注目していただきたいですね!

 

まとめ:ストーリー展開は…心理的にエグいです…

主人公の恵子は「人が望む普通の人間」であろうとし、何とか生きてきたんです。

それまではそのままで良かったのに、年齢を重ねる内に周囲がそのままでいることを許さなくなってしまう…

 

この小説を読んでいると、

普通であると言う事が、実は異常な事なのかも知れない…

と、今ある世界を疑いたくなってきます。

 

一般常識で考えると、「恵子」も「白羽さん」も、

かなりクレイジーな部類の方々ではあると思うのですが、

本当は、彼らの言ってる事にも真実が潜んでいて、

一概に彼らを否定するのも違う気もしています。

 

ラストシーンでは恵子はある一つの結論を下すのですが、

それがもたらすものは希望なのか絶望なのか…?

ぜひ最後までお読み頂けたらと思います!

 

以上です…

「コンビニ人間」はKindleでもお読みいただけます!!

 

コンビニ人間 (文春e-book)

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