『続・荒木飛呂彦の漫画術』は全ての作家が読むべき貴重な内容がてんこ盛りだった!
みなさんは「ジョジョの奇妙な冒険」お好きですか?
私は昔から「ジョジョ」がかなり好きでして、最近Netflixを再契約したのもアニメ『ジョジョの奇妙な冒険第6部ストーンオーシャン』を全話見るためでしたし…
さらに、先日発売された「JOJO magazine 2022 WINTER」と言う書籍も購入したりしてました。
この書籍には数々のジョジョシリーズの描き下ろしイラストの他、インタビュー等様々なコンテンツで盛りだくさんなのですが、
その中でも、作者である荒木飛呂彦(あらき ひろひこ)先生が書かれた、
『続・荒木飛呂彦の漫画術』と言うコーナーがとてもためになる内容でした。
荒木先生は2015年に『荒木飛呂彦の漫画術』という本を執筆されています。
元々荒木先生はご自身のキャリアから培った漫画テクニックに関しては「企業秘密」とまで言うくらいで、あまり公にしたくなかった事がうかがえます。
しかし、ご自身の経験が後世の漫画家の役に立つならばと、キャラクターやストーリーの作り方、アイデアの見つけ方などを惜しみなく解説され、この書籍は大変な反響を呼びました。
この本の発売から8年ほどが経過しようとしていますが『続・荒木飛呂彦の漫画術』はその続編にあたるコーナーなわけです。
今回はそのノウハウをさらにマニアックに掘り下げ、30ページにもわたり掲載されているんですね。
私も読ませて頂きました。
メインはもちろんこれから漫画家になりたい方や、現在漫画家をされている方に向けて書かれたものですが、
そのテクニックは、小説家の他、何らかのストーリーを構成する全ての方にもとても参考になるのではないか?
と思いました。
このコーナーの全ての項目を紹介する事はできませんけど、一つだけ例を紹介します。
私が特に気になったのは「キャラクターの作り方(特に敵キャラ)」についてですね。
荒木先生はキャラクターを作る際には必ず「身上調査書」と言うそのキャラクターの履歴書の様なものを作るのだそうです。
書籍には実際に荒木先生が制作した「身上調査書」のテンプレート的なものが見開き2ページで紹介されています。
その項目の数は数十にも及び、身長、体重はもちろんの事、前科や学歴、経済状態やペットの有無、愛用品など、事細かく書かれているんです。
つまり、これらの情報を丁寧に作り込む事で、キャラクターはその人物として動くようになる、と言う事の様です。
『続・荒木飛呂彦の漫画術』では例として『ジョジョの奇妙な冒険』史上、最強の悪役でありながら最も魅力的なキャラクター、
「ディオ・ブランドー」の「身上調査書」が掲載されているんです。
例えば、そこには「変わってる所」として「パラサイト」と言う言葉が書いてありました。パラサイト=寄生生物を意味する言葉です。
確かにディオは第一部ではジョースター家に取り入り、巧みな手段で乗っ取りを企んでいましたね。
ディオは第三部以降にも出て来ますけど、おそらく「身上調査書」がある事でキャラクターの性格がブレずに一貫してる感じはありますね。
このように、詳細な情報を書き込んでいくことで「キャラの性格」「癖」「特技」等、その特徴が固まってきて「キャラに血が通う」状態になっていくのだそうです。
ただ、ストーリーを進めていくと「身上調査書」通りにならない矛盾も生まれてくることもあり、
その際はストーリー展開に合わせて修正していったりする事もある様です。
良い例が第七部に出てくるヴァレンタイン大統領ですね。
彼は最初、小太りで背の低い人物として書かれていましたが、物語の終盤ではとてもスマートなイケメン男性になってましたからね。
荒木先生曰く、キャラクターには変えて良い部分と絶対にブレてはいけない部分があるそうなので、そこらへんの線引きはしっかりされているようです。
それではまとめになりますが、
・キャラクターを作る際には「身上調査書」を作る
・キャラクターには変えて良い部分と絶対にブレてはいけない部分がある
他にも様々な荒木先生の経験から生まれたテクニックがいくつか書かれているので、気になる方はぜひ「JOJO magazine 2022 WINTER」をご覧頂ければと思います。
電子書籍版も発売されています。
以上です…