劇場版『チェンソーマン レゼ篇』デンジとレゼの恋の行方は?
こんばんは!まるく堂です!
2025年9月19日に劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が公開されました。

実はかなり以前に私も映画館で鑑賞してきて、ブログに感想を書きたいなと思ってたのですが、どういう風に書こうか悩んでそのまま今日まで放置状態でした。
さすがにこれはアカンだろ、と言う事で今さらですが感想を書きたいと思います。
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』について
あらすじ
悪魔の心臓を持つ「チェンソーマン」となり、
公安対魔特異4課に所属するデビルハンターの少年・デンジ (戸谷菊之介)。
憧れのマキマ (楠木ともり)とのデートで浮かれている中、
急な雨に見舞われ、雨宿りしていると偶然“レゼ” (上田麗奈)という少女と出会った。
近所のカフェで働いているという彼女はデンジに優しく微笑み、
二人は急速に親密に。この出会いを境に、デンジの日常は変わり始めていく……
登場人物紹介
デンジ

本作の主人公。チェンソーの悪魔「ポチタ」と契約し、自らの心臓と一体化した「チェンソーマン」として生きる少年。貧困と孤独の中で育ち、普通の幸せを夢見ている。
レゼとの出会いによって「恋」や「安らぎ」を初めて知るが、その裏にある真実に直面することになる。
レゼ

デンジが偶然出会うカフェの店員の少女。明るく穏やかな性格で、どこかミステリアスな雰囲気を持つ。デンジと過ごす時間の中で、彼にとって心の安らぎを与える存在となる。彼女との出会いが、デンジの心に大きな変化をもたらしていく。
早川アキ

公安のデビルハンターで、デンジの先輩的存在。冷静で責任感が強い。
上司のマキマの命令でデンジと同居する事に…
性格が正反対のデンジとは始めは反発し合っていたが、共に戦ううちに互いを理解し合う関係へと変化していく。仲間を守るために常に行動する、信頼の厚い人物。
天使の悪魔

公安に所属する特殊な存在で、羽がある以外は人間のような外見を持つ。戦闘よりも支援や補助を担当することが多く、アキと共に任務にあたる場面も多い。物静かで達観した性格だが、アキとの関わりの中で少しずつ心を開いていく。
マキマ

公安の上級職員で、デンジの上司にあたる人物。常に冷静で理知的な雰囲気を持ち、デンジにとっては憧れの存在。彼女の言葉や行動には謎が多く、物語全般で異様な存在感を放っている。
アニメ版から劇場版への紆余曲折
今回、劇場版を製作したのは2022年に放送されたTVアニメ版の『チェンソーマン』を担当したMAPPA。『進撃の巨人』や『呪術廻戦』等、多くの人気作品を担当してきた製作会社です。
ただ、アニメ版放送当時は、本来のキャラクターが持つ(べき)テンションが抑えられてしまったり、後に重要となるセリフがつじつまが合わなくなるくらいに改変されていたりと、『チェンソーマン』の原作が持つ魅力を十分に表現できてなかったとして、あまり評判が良くありませんでした。
しかし、2025年9月に放送された『チェンソーマン 総集篇』は、監督が交代したこともあり、本来ファンが見たかったはずの、原作に寄り添ったテンポの良い作品に仕上がっており、見たユーザーからは「総集篇」ではなく「総編集」ではないか?と言われるくらい好評を博しました。
(ちょっとした疑問なんですが「総集篇」って「編」じゃなく「篇」を使うのって何か意味があるんですかね…?)
その流れを受け、同じ監督が製作する『チェンソーマン レゼ篇』にも大いに期待が寄せられました。実際、アニメ版を上回るほどの疾走感溢れるバトルアクションは、本作の大きな魅力の一つである事は間違いありません。
さらに声優さん達の、まるで解き放たれたかの様な素晴らしい演技!その躍動感がキャラクターに新しい命を吹き込んでいます。
そして、私がこの映画を観て最も心惹かれたのは、その激しい戦いの裏に秘められた、主人公「デンジ」と謎の少女「レゼ」が織りなす、ほろ苦くも美しい青春の物語でした。
「レゼ」と言う存在

(映画特典第4弾ビジュアルカードより)
『チェンソーマン レゼ篇』はコミックス5巻から6巻に収録されている割と短めなエピソードです。しかし、ストーリーの起承転結がハッキリしていたり、表現にもとても映画的な面があることから、劇場版として製作される事を望むファンは、アニメ放送当時からも多く存在しました。
そして今回、実際に劇場版として製作されたわけですが、本作では、まさに「レゼ」という一人の女性を軸として物語が展開し、その小悪魔的かつミステリアスな彼女に翻弄されながら、予測不能な運命へと突き進むデンジの姿に焦点が絞られていきます。
この二人の関係性こそが、『レゼ篇』の核とも呼べるべきものであり、観る者の心を深く掴んで離さない理由にも感じます。
極力ネタバレは避けますが、映画の序盤から中盤にかけて、デンジが小学校を始めとする義務教育を受けていない事をレゼが知り、夜の学校へ二人でこっそり忍び込む、とても印象的なシーンがあります。
レゼは黒板に「1+1=」と書いて、生徒役のデンジに当てさせます。デンジは元気よく「2!」と答えるとレゼは「正解!天才!」と褒めます。それはまるでデートの様で、端から見るとバカバカしいやりとりではあるのですが、二人だけの世界と言った感じで微笑ましいんですよね。
「好きな子といる時間」学生の頃には誰にでも一度や二度そうした経験があると思います。その二人だけの時間は、すごく楽しいのに気付けばあっという間に過去になっている、その切なさにも似た感覚が、この劇場版には含まれている感じがします。
ストーリーを追えば追うほど、レゼと言うキャラクターの魅力が増幅され、内面を考えれば考えるほど胸が締め付けられていく様な…レゼはそんな、もの凄いキャラクターなのだと思います。そんなキャラクターを描ける藤本タツキ先生、スゴすぎです!
レゼの運命はどうなるのか?そしてデンジの選択は?
それはぜひ映画館で確かめて頂ければと思います。
もう一つの軸、早川アキと天使の悪魔
『チェンソーマン レゼ篇』ではもう一つの見どころがあり、主人公デンジの先輩であり、兄的な存在である「早川アキ」と、彼の新しいバディ(相棒)として選ばれた「天使の悪魔」との関係性にも注目して欲しい部分です。

(映画特典第3弾ビジュアルカードより)
早川アキは少年時代に家族全員を「銃の悪魔」によって奪われてから、復讐の日々を過ごしており、家族の仇でもある悪魔全般を嫌っています。
しかし、新しくバディとなった「天使の悪魔」はその手が触れると触れた者の寿命を吸い取ると言う特殊能力を持ちますが、あまり仕事に熱心とは言えず、アキとの相性はかなり悪目です。
しかし、ある事をきっかけにアキとそして天使の悪魔の心情が少しずつ変わっていき、二人の関係性に変化がみられてきます。その過程の見せ方が非常に上手いなと感じます。
音楽もスゴい!!
『チェンソーマン レゼ篇』は疾走感のあるアクションと、甘酸っぱさと鮮烈さの交じった初恋の顛末を見事に融合させた作品でした。
そして、欠かせないのが 米津玄師さんが手がけた楽曲です。
映画の主題歌「IRIS OUT」と、エンディングテーマ「JANE DOE」、それぞれが対照的な役割を果たしています。
まず「IRIS OUT」は、本作のオープニング/主題歌として米津玄師さんが作曲・歌を担当しています。
そして「JANE DOE」は、米津玄師さんと宇多田ヒカルさんのコラボ楽曲として、エンディングテーマに起用されました。
この二曲の振り幅が本当に一人の人間から生み出されたのか?と思うくらい大きく、主人公デンジとレゼの関係性が持つ「コミカルでダーティな側面」と「美しくも切ない側面」という多角的な魅力を、それぞれの曲がしっかりと表現している様に思います。
さらに言えば、エンディング「JANE DOE」の歌詞に込められた「割れて粉々になったガラスの上に裸足で立って、それに傷つけられながら歩いていく」様なイメージは、まさにレゼが歩んだ道筋の様でいて、映画の深い余韻としてずっと心に残りました。
正直、2、3日はずっと映画の事ばかり考えてしまってたくらい引きずったので…
まとめ
結論として、本作は単なるアクション映画ではなく、ストーリーが本当に映画的と言うか、完璧と言って良いほどの構成で、そこに更に米津さんの音楽の力が加わることで、心の奥底に刻まれる様な「忘れられない映画」になった気がします。
実際、今年見た映画のTOP3には間違い無く入りますね…
映画の公開から2ヶ月近くになりますが、まだ上映している映画館も多いと思うので、
ご覧になっていない方はぜひぜひ映画館に足をお運び下さい!!
↓まだ一度もチェンソーマンを見たことがない方は、一度「総集篇」を見て基礎知識を知るのも良いかも知れません。(ただし映画だけ観ても話はわかります。)
以上です…

























